『マルドゥック・ヴェロシティ』
- 作者: 冲方丁
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年末に読もうと思ったけど今頃になっちゃった。スラッシュとダッシュの多用、運命の女、悪徳警官の狂奔、と確かに『ホワイト・ジャズ』風味なんだけど、09メンバーのチームとしての絆ががっつり描かれているので、そのへんはエルロイとはっきり異なっているし、若干ラノベちっくと言えなくもないかな。特に戦闘シーンにあの電文文体を使うともうなにが起こってるのかさっぱりわからないので、ほとんど読み飛ばしてしまった。「劣勢なのね」「逆転したのね」って分かればいいや、なノリで。あと、作中で振るわれるさまざまな暴力に切実な感じがないのは、異能の戦いだからかなあ。なんか暴力に付随するエクスタシーが薄い(つーか単に読み飛ばしちゃったから?)。けど、そういう暴力指向を自覚しちゃったら、無垢な読心ネズミとは訣別するっきゃないよね。腑に落ちた。あと、ウフコックが有用性にこだわる理由がはっきりして、すっきりした。陰惨な話だし、途中までとっても鬱々としながら読んでたんだけど、ボイルドにも一応救いが用意されていてホッとした。で、次回は何年後に出るかわかんないけど、ノーマVSバロットな雰囲気。実現を気長に待とう。
まあ、とにかくだ。オセロットかわいいよ、うわーん(号泣)!ホットケーキ焼きながら台所であのシーン読んで、フライ返し使いながら半泣き。