『子供の眼』

子供の眼〈上〉 (新潮文庫)

子供の眼〈上〉 (新潮文庫)

子供の眼〈下〉 (新潮文庫)

子供の眼〈下〉 (新潮文庫)

話の展開はやっぱりすぐ読めちゃうんだけど、法廷のやりとりはおもしろいのでページをめくるのは苦になんない。逆にそれ以外のところはかったるいかなあ。風景描写とかすげーどうでもいい。人物のみてくれ描写もすぱーんと読み飛ばし。最後までひっぱった謎も案外あっけないというかなんというか。被告が本質的に善人だから隠し事の質がある程度限定されちゃうっつーハンデがあるにしても、もうちょっとサプライズが欲しかった。そんなわけで、リアルなんだけど読了後ひっかかるところがなかった。欠点だらけでも一箇所強烈にひっかかるところがある小説のほうが私は好みなのだと再確認。その一文のために他の何万文字が奉仕するような、そんな小説。