『あなたの呼吸が止まるまで』

新潮 2007年 03月号 [雑誌]

新潮 2007年 03月号 [雑誌]

で、図書館で一時間ばかり「新潮」の島本理生の新作を読み耽った。ユヤタンの嫁との噂なのでという下世話な興味から手に取ったんだけど、途中からのめりこむように活字を目で追い続けた。すべての子供に共通する「責任がない代わりに理不尽なことを甘んじて受け入れなければいけない」という縛りに対する憤りにハッとする。私も子供の頃同じこと考えてた。もちろん、子供の頭で考える「責任」って曖昧なイメージだけで具体的なことは霧の中だったんだけど、それを手探りしながら行きつ戻りつするのが思春期っつーか。
田島君は容姿も性格もかっこよすぎる「超ファンタジーな面」と、いらないって言ってるのに結局カレーを多くよそっちゃったりする「リアルな面」が混在していて面白い。ラストの主人公の選択がすごい。あの責任の取り方と、理不尽さとの対決姿勢は読んでいてすごく気持ちがよかった。