『首輪をつけた刑事たち』

首輪をつけた刑事たち―警察犬物語
「物言わぬ生きた鑑識機材」であり「首輪をつけた捜査官」であり「ドッグ刑事」な警察犬の本。「ドッグ刑事」ってさ、刑事ドラマのあだ名みたいだよね。犬好きの人ならおもしろく読める本。事件モノが駄目な人は避けたほうが無難。警察犬慰霊碑の第一墓誌に刻まれた文章が素晴らしいので、それだけでもこの本を読んでよかったと思った。

 
君は永遠に
 
ここに立っている
 
生前の勲を
 
誇ることもなく
 

これを書いた当時の鑑識課長の犬に対する気持ちが伝わってくる。

他に印象的なエピソードといえば、連合赤軍とかそのへんの過激派の話。あさま山荘事件の際に待機していた警察犬のエピソードが過酷で辛い。「犬は備品扱いだから突入させて死んでもまた補充すればいい」という案まで出てたというから、当時の警察側の焦りは相当なものだったんだろうな。しっかし約30年前に日本にテロが横行していたなんて、想像できないや。