『アキハバラ@DEEP』

アキハバラ@DEEP

アキハバラ@DEEP

京太郎飴のような「「****」と##は言った。」式の記述による読みやすさではなくて、改行まみれではないちゃんとした文章で読みやすいというか、すんなり頭に入ってくるのですぐ読めちゃう石田衣良です。ネタバレるかもなので、これから読む予定の人はこの先注意ね。
ネットワークでの生命体というと、まっさきに思い浮かぶのが『パワーオフ』だったりする私にSFの血が流れているとはとうてい思えないのですが、最後の最後でいきなりAI生命体が喋りだすなんてアホな!とクチぱっかーん。これじゃあ『アンドロメディア』だよ!ストーリーはIWGPっぽいし、そういう意味で目新しさはありません。むしろラノベっぽいパッケージで売ってほしい作品です。メイドカフェに対する侮蔑的な感じも受けたし、おたくの人を小馬鹿にする調子も見られ、テレビでのイロモノ的取り上げ方の域を出てないよなーって感じで、アキハバラの名を冠するにしてはずいぶんと挑発的っつーかなんつーか。週刊文春12月16日号に同書のレビューが載ってて、「萌え」を理解するのに向いてる一冊だかなんだかという流れの内容で、そういう解釈をする人がいるんだと驚きました。私は同書に萌えに対する切り口は感じられなかったんですけど、世界にはいろんな人がいるなあと思いました。